「WordPressはオワコン。AIでCMS作った方がいい」——PHPの脆弱性問題が話題になった今週、SNSでこういった投稿をよく見かけました。気持ちはわかります。セキュリティ問題が相次ぎ、「もうWordPressに頼るのはやめよう」という気持ちになるのは自然です。でも、ちょっと待ってください。その結論、本当に正しいでしょうか。
「AIでCMS作ればいい」論の落とし穴
確かに、AIを使えばCMSの基本的な機能は比較的短時間で作れます。記事の投稿・編集・削除、カテゴリ管理、画像アップロード……それ自体は難しくありません。でも、「作れる」と「使い続けられる」は、まったく別の話です。
自作CMSにはセキュリティ対応の責任がすべて自分にかかる
WordPressがセキュリティ問題を抱えるのは事実です。しかし、WordPressには世界中のセキュリティ研究者やエンジニアが常に監視・修正を続けており、脆弱性が発見されれば速やかにパッチが提供されます。今回のphp2shell(CVE-2026-109618/109619)も、深刻度が極めて高かったにもかかわらず、通常サポートが終了したバージョンにまで例外的にパッチが提供されました。
自作CMSの場合、セキュリティ対応の責任はすべて自分(または制作者)が負います。SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング、認証の抜け穴……Webアプリケーションには数え切れないほどの攻撃手法があり、それを一人で防ぎ続けるのは、現実的ではありません。「WordPressのセキュリティが心配」という理由で自作に切り替えると、かえってリスクが増す可能性があります。
「作って終わり」問題は自作CMSでも同じ
WordPressの脆弱性問題の本質は、「メンテナンスをしていなかったサイトが危険にさらされた」ことです。この問題は、CMSを自作しても解決しません。むしろ、自作CMSはWordPressより更新頻度が低くなりがちで、脆弱性が放置されるリスクが高まります。プラットフォームを変えても、運用の問題は解決しないのです。
AIを使うなら「CMSを作る」より「WordPressを管理する」方が何十倍も効率的
ここで視点を変えてみましょう。「AIを活用してCMSを作る」のではなく、「AIを活用してWordPressをより効率よく管理する」という発想です。これが、現時点で最も合理的な選択肢だと考えています。
AIはWordPressの管理・カスタマイズを劇的に効率化できる
AIを活用すれば、WordPressの運用でこんなことができます。
- テスト環境の構築・本番環境への反映フローの自動化
- プラグインの更新後に不具合が出た際の原因調査・修正
- オリジナルのWordPressプラグイン・テーマのカスタマイズ
- セキュリティ設定の見直しやログのチェック
- ブログ記事の構成案作成・下書き生成
つまり、AIはWordPressを「捨てる」ための道具ではなく、WordPressをより安全・効率的に使い続けるための強力な相棒になれるのです。25年以上にわたって積み上げられたWordPressのエコシステム——膨大なプラグイン、テーマ、ドキュメント、コミュニティ——これをAIと組み合わせることで、自作CMSでは到底かなわない生産性が生まれます。
「自作CMS vs WordPress」を比較すると
| 項目 | AIで自作CMS | AI活用でWordPress管理 |
|---|---|---|
| 初期構築の速さ | 比較的早い | さらに早い(実績あるベースがある) |
| セキュリティ対応 | すべて自己責任 | 世界規模のコミュニティが支える |
| プラグイン・機能拡張 | すべて自作が必要 | 豊富なプラグインを活用できる |
| 脆弱性発見時のパッチ | 自分で対応するしかない | 公式・コミュニティから提供される |
| 長期的な運用コスト | 高くなりがち | エコシステムで効率化できる |
| AIとの相性 | 作れるが管理も自分で | 管理・カスタマイズをAIが補佐 |
「WordPressはオワコン」は本当か
世界のWebサイトの4割以上がWordPressで動いています。これだけ広く普及しているプラットフォームが「オワコン」になるには、それに代わる圧倒的な選択肢が必要です。現時点で、そのような選択肢は存在しません。セキュリティ問題は確かに存在しますが、それはWordPressに限った話ではなく、あらゆるソフトウェアが抱える宿命です。重要なのは、問題が起きたときに素早く対応できる体制を整えておくことです。
「WordPressが危ない」のではなく、「メンテナンスされていないWordPressが危ない」のです。この違いを理解した上で、AIを活用した効率的な保守体制を整えることが、今この時代に最も賢い選択だと考えています。
まとめ
- 自作CMSはセキュリティ対応がすべて自己責任になり、かえってリスクが高まる
- 「作って終わり」問題はプラットフォームを変えても解決しない
- AIはWordPressを「捨てる」ためではなく「より安全・効率的に使う」ために活用するのが賢い
- 問題の本質は「メンテナンス体制があるかどうか」
横浜ネットサポートのWordPress保守サービス
弊社で構築・リニューアルしたWordPressサイトを対象に、月額15,000円で保守・メンテナンスを承っています。
- WordPressコア・プラグインの定期アップデート
- PHPバージョンアップ対応
- 定期バックアップ
アップデートはすべてテスト環境で動作確認を経てから本番に適用するため、「更新したら壊れた」というトラブルを防げます。新規制作・リニューアルの際はテスト環境の構築からご対応しており、その後の毎月の保守もそのままお任せいただけます。
他社で制作されたサイトの保守については、まずサイトの状況を確認させていただいたうえでご提案します。お気軽にご相談ください。
